税理士事務所の仕事と、その仕事・業務を行うために必要なスキルです。
業務のなかで「会計支援、月次監査、税務申告、年末調整等」の業務量・所要時間が圧倒的に多いです。
(1)業務の柱の1つ・顧問先の会計支援業務は大まかに言うと、記帳代行と自計化会計支援の形態に分かれます。
①記帳代行と自計化会計支援
[記帳代行]とは、顧問先の会計書類等を税理士事務所で会計ソフトに入力して月次決算をまとめる作業です。
[自計化]とは、顧問先自らが会計ソフトに入力することです。その入力データを税理士事務所で点検等して月次決算にまとめます。会社で自ら入力することによって経営成績がタイムリーにわかります。また会計処理内容の理解も深まります。
②月次監査業務
月次監査というのは「月次決算後に訪問等して、顧問先へ決算報告をする。月次決算分析、今後の見込みや戦略等を話し合うこと」を言います。この時に税金・経営の相談、相続税対策のご提案等を行ったりします。
※月次監査の頻度は「(顧問契約内容により)毎月訪問のほか、3月毎・6月毎等訪問や、年に一度の決算・申告だけ」があります。
※当事務所では「年に一度の決算・申告だけ」は基本的に行っていません。
(2)税務申告書作成と電子申告の業務
会社、個人事業者の税務申告書を作成し、電子申告します。
・会社は、各社の決算月に合わせて作成します。
・個人事業者は、申告期限の3月15日に合わせて作成します。このため年明け1月から忙しくなり会計事務所の「繁忙期」と言われています。
(3)年末調整業務
顧問先従業員の一年間の所得税を計算し直して、正確な所得税額を算出して源泉所得税との精算を行う業務です。
(4)税務調査の立会い
随時に行われる税務署の税務調査立会い業務です。税理士しか立会い業務は行えません。
(5)会計事務所職員として一人立ちする年数(目安)
①会計支援と税務申告の内勤業務ーーーー2年程度(中途採用者に、会計事務所2年の実務経験が求める所以)
・顧問先の年度決算処理や申告まで処理を行って、はじめてその会社の全体像がおぼろげに見えてきます。
・2回の決算申告をこなして顧問先会社の経営や仕組み等の理解が進みます。効率的・効果的な業務を行えるようになります。
※担当する会社数/1ケ月(目安)ーーー1年目5~10社超程度/月、2年目10~20社程度/月。
②月次監査・コンサルタント業務ーーーー3〜5年程度
・効果的な月次決算報告や経営相談、アドバイスを行うためには、
会社の経営・仕組み等を深く知り、また他社で得た経験を積み上げてしていく必要があります。
・内勤業務のほかに、通常はさらに3〜5年の経験が必要になります。社員本人の知識・経験に応じて、内勤業務と同時に月次監査業務の経験を積み上げていく場合もあります。
・ひとり立ち後は、月20~30社超程度を担当します(訪問頻度等にもよります)。
(6)必要なスキル
①新入所時に必要な基礎的な必須スキル
・会計・経理の仕組みの知識(簿記2,3級程度)。
・Excel、word、メーリングソフト等基本ビジネスソフトを操作する力。
・できれば税法の基本知識。
※さらにステップアップするために必要なスキル、税理士事務所の仕事の詳しい内容は「税理士事務所の仕事(詳細版)」をご覧ください。